谷崎潤一郎氏も語る「読みにくい文章のすゝめ」

いつも記事を書くような仕事をしていると、読みやすい、流れの良い文章を書きたくなってしまいます。しかし、それが正しいとは限らないようです。

「きれいな e-ink に表示される、普通の文章は素早く簡単に読めてしまう。一方、複雑な構造の文章やインクで汚れた紙面は意識的に努力して読まなければならないため、脳のより活発な活動が必要になる。」とその理由を説明していますが、なるほどそんなものなのでしょうか

わたしはこれを読んで谷崎潤一郎の「文章讀本」を思い出しました。この中で谷崎は「ゴツゴツした調子」について語っているのですが、なぜそんな読みにくい文章を書くのかというと「あまりに流暢にすら/\と書くと、読者はその調子に釣られて一気に読んでしまい、一語一語に深く意を留めない恐れがある。......ですからこの派の人々は、努めてリズムを無愛想に、不愉快にします。少し進みかけたと思うと、すぐ彼方へ打つかり此方へ打つかりするように書きます。読者は至る所で石を踏んだり、穴ぼこに落ちたり、木の根に蹴つまずいたり、しなければならない。けれどもそうして進行を阻まれるために、その穴ぼこや石や木の根に忘れられない印象を受けます。」

うーん、なんとなくわかります。音楽でも、変拍子が出てくるような曲は印象が強く残ったりする物です。人間って不愉快な物ほど印象深かったりするんですよね。

ということで、たまには読みにくい文章を書いてみるってのも面白そうです。ちょっと試してみようかな。


[ 読みやすいのは考えもの? - 電子書籍、ヴォーカロイド、そしてコンピュータ将棋 ]

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